乳がん検診で、1.腫瘤がある 2.微細状などの石灰化がある 3.乳頭陥凹が見られたなどの異常所見がある場合に、その異常が良性か悪性(がん)かの鑑別、性状や大きさ等を詳しく調べるために、マンモグラフィ、超音波検査、細胞診検査などが行われます。
マンモグラフィ

乳がん検診にも用いられているように、乳がんによる病変の検出には有用な装置です。乳腺が少なくなった閉経後や高齢者の乳房では診断しやすく、特に、しこりを触れることのない早期の乳がんを石灰化で発見できるのが特徴です。
乳がん検診では40歳以上の女性にマンモグラフィを用いることがすすめられていますが、乳腺組織の発達した方や若い方では描出性が弱く、これのみで100%正確に乳がんを診断できる訳ではありません。
そのため、超音波検査や細胞診などとの組み合わせが必要となります。
超音波検査

この検査は痛みや不快感がなく、放射線を用いないため被爆の心配もない安全な検査です。超音波検査では、マンモグラフィで写しだすことが難しい比較的若い人のしこりを見つけることができます。
しかし、逆に、超音波検査では、マンモグラフィで検出できる微細な石灰化がほとんど描出できません。すなわち、超音波検査とマンモグラフィの両方の検査を受けることが重要です。
1.問診
既往歴や現在の症状や経過などをお聞きします。
2.マンモグラフィ

乳房専用のエックス線装置で左右両側の乳房撮影を行います。
放射線の被曝量は、自然界の放射線レベルと同程度の低さなので被爆の心配はいりません。 ただし、妊娠中や妊娠が疑われる場合は念のため検査を行いません。
また、産後6か月以内の方は画像の信頼性が低いため撮影しません。
乳房全体のX線撮影ではっきりしない部分が見られた場合、局所的な撮影を追加することがあります。これをスポット撮影といいます。気になる部分を少し圧迫して撮影します。
3.視触診
乳房の形や皮膚の変化をみたり、乳房に腫瘤がないか、乳頭からの分泌物がないかなどを調べます。また、腋窩(わきの下)リンパ節が触れないかも調べます。
4.超音波検査

乳房の上から超音波をあて反射波(エコー)を画像化して診断する方法です。痛みもなく、放射線被爆の心配もない安全な検査です。
超音波装置に映るしこりの形や内部の状態、辺縁の状態などを詳細に観察し、病変の診断を行います。
超音波検査について、詳しくは、
乳房超音波検査をご覧ください。
5.細胞診検査

これまで(上記)の検査で悪性が疑われたり、良悪の鑑別が難しい場合に細胞診が行われます。
- 穿刺吸引細胞診
乳房の病変部分に細い針を刺して注射器で細胞を吸い取り、顕微鏡で細胞の状態を調べます。
- 乳頭分泌物細胞診
乳頭から出る分泌物を採取し、分泌物に含まれる細胞を顕微鏡で観察し診断します。
6.結果説明
結果はその日の検査を乳腺専門医が総合的に判断し、検査終了後に診察室でご説明いたします。ただし、細胞診検査を行った場合は1週間後になります。